船木俊介「デジタル進化論」

スーパーソフトウエア東京オフィス代表&キッズラインCTO

2020年 新入社員のみなさまへ

皆さん、入社おめでとうございます。
東京オフィス代表の船木です。
本日、みなさんを仲間に迎えられて大変嬉しく思っております。

また、みなさんにとっては社会人としての第一歩を踏み出す記念すべき日でもあります。スーパーソフトウエアを代表して、みなさんを歓迎します。

新型コロナウィルスの影響で社会が急速に変わり予断を許されない中、不安や期待が入り交じった心境にあるかもしれませんが、少なくとも不安を取り除いていただけるよう、本日より皆さんが一員となるスーパーソフトウエアが何を目指しているのか、みなさんに期待することは何なのかをお話したいと思います。

スーパーソフトウエアは1983年に大阪で創業し、最初は数人のシステムエンジニアが集まって作った会社でした。インターネットもITという言葉もまだない時代から、どんな状況であろうともソフトウェアを「真面目に」作る集団として成長し、その仕事に対する姿勢にはクライアントからも絶大な信頼を寄せて頂き、広島、福岡と順調に事業の拡大を行ってきています。当時からのクライアントが40年近く経ったいまでも続いていることは、信頼の一つの証と言えるかと思います。

そして東京オフィスはIT技術をベースとして「最新テクノロジーでビジネスを革新する」というコンセプトで2010年に設立しました。ソフトウェアの開発といった領域からさらに一歩踏み込んで、IT技術は我々の仕事や生活にどう役立つのか、どう役立てるべきなのかを考え、従来からもつシステム開発力によってその実現までを担う、といったより高度な分野での仕事を行っています。ここ数年の成長率はかなり高く、ITソリューション、コンサルティングでは「戦略的IT」を支援するため本来どうあるべきかから顧客と共に考え、企業戦略からの問題解決、時にはシステム以外のことも含めて顧客課題を追求するコンサルティングを行い、多くの顧客に喜ばれています。この拡大基調を続けることにより、日本全体の非効率なものを駆逐して、効率的デジタル化をより一層進めていきたいと考えています。

よく言われるように、ビジネスの世界というものは同じ事を何年も続けていればすぐに競合に追い抜かれ、自分では現状維持しているつもりがいつの間にか衰退しているという状態になります。変化に適応できる者だけが生き残れる世界であり、そのスピードは年々速くなっています。変化への適応を支えるものが我々が携わるITです。さらに、日本の労働生産性は先進国の中でも著しく低く、生産性を向上させて付加価値を生み出すためにもITは大きな力を発揮します。このようにIT業界に携わるということは、「世の中をより良くすること、社会を前進させること」だということを最初の前提として忘れないようにしてください。

スーパーソフトウエアではクライアントから相談される課題、例えば「現状アナログで行っている業務、1人1人の社員が個別に紙やEXCELで作成している書類があり、効率が悪いためシステム化したい」といった抽象的な相談に対して、解決までを行うことが仕事です。こういった課題の背景としては、労働人口の減少により1人あたりの仕事効率を上げていく必要があったり、ミスの発生を防ぐ内部統制のためであったり、法令遵守のためであったりといった様々な理由があります。その上で、いまの業務フローがどうなっているか調査し、効率化のためにどこまで変えることができるのか調整します。システムで効率化できても、その利用のための学習コストや業務変更コストが膨大になる場合は、全体として効率化できないという場合もあるためクライアントの経営判断を求めることもあります。このようなシステム化のコンサルティングフェーズを行った後に、はじめてシステムそのものについての検討が始まります。

要件や仕様を決める要件定義や基本設計を行うため、クライアントの担当者と綿密に話合いを行います。その後にようやくプログラミングを行います。プログラミングではメンバーとゴールの確認や進捗共有、課題確認など意思疎通をはかりながら開発を進めていきます。そして最終的に、エンドユーザとなる人々の手に渡り、システムが利用されていきます。

言いたいことは、ITやシステムの仕事といっても最終的に全て「人」を扱う仕事だということです。よくイメージするIT=プログラミングというのは全体でもごくごくわずかな部分的作業であり、ほとんどは人の考え、人の動き、人の行動が焦点になります。相手の考えを理解し、意図を引き出し、時には相手を説得するためには、早期に自らがビジネスパーソンとしての確固たる土台を築く必要があります。

このため、みなさんに求められるものは仕事を通した人間としての成長であり、これからの人生で起こる様々なことを自らの力で乗り越える能力です。プログラミングスキルなどは全く大した話ではありません。1つ1つの仕事が仮に出来ないとしても問題ではありませんが、人間として成長しないことがあればそれは大きな問題になります。

ではどうすれば成長したと言えるのか、わかりやすい指標でいえば「信頼」をどれだけ得られたかです。上司からの信頼、顧客からの信頼が当面の目標になるでしょう。挨拶をする、話を理解する、約束を守る、小さくてもいいから結果を出す、前向きに仕事に取り組む、などやれば出来ることや小さな事を積み重ねることで信頼は築かれていきます。信頼を得られればより大きな仕事や大きなチャンスをつかむことができますが、信頼のない人が得られるチャンスはどこの世界でも存在しません。

「自ら絶え間なく成長し、周りのメンバーの成長を促す人」を目指してこれからの未来を築いていきましょう。

みなさんの入社を心から歓迎します。